トリセツの標準化の普及と認定を行うNPOです。

検証と検査

取扱説明書の検証とは

「検証」に似た言葉に「検査」があります。
一見似た言葉ですが、「言葉の持つ意味」は全く違います。

[検査]とは、「特定のものを分析し、結果を評価する」こと。

[検証]とは、「ある根拠に基づき、全体を判断する」こと。

医者がまず患者を診察し「病気の有無を判断」するのが「検証」。
採血などで「ある物質の量を調べる」のが「検査」と考えれば理解しやすいでしょう。
又事故や犯罪現場で、ベテランの刑事などが、状況を判断し、証拠になりそうなものをベテランのスキルと鋭い洞察力で痕跡を見つけ出す、これが現場検証です。
そして、それらで得られた痕跡を、様々な検査分析の精密機器を集めた検査機関などで分析などを行い、科学的根拠を数値やデータで示します。これが「検査」です。

検査には特定の項目について、より数量的な評価ができるため、視覚的に評価しやすいという長所があります。ある「基準」を定めれば、それに伴い(+)(−)の判定も簡単にでき、端的な判断をするのに向いている方法です。
ただし、検査には「母集団」や「分析方法」などの変動要因が多くあり、「分析にどんな方法を採択したか」により、結果が大きく変わってしまうという欠点があります。
また、特定の項目のみを分析するため、個別の項目の数量評価をするには向いていますが、全体とのバランスを見るには不適当です。さらに検査は分析装置さえあれば誰もが同じような結果を出す事ができますが、「分析結果を揺るがす条件」が混在すれば、間違った結果が出てしまうこともあります。

検査を行い出された数値は単なる「結果」であり、「結論」ではありません。
検査結果だけで何らかの「結論」が出せるものではなく「単なる判定要素の一部=結論の根拠」にすぎません。しかし「検査結果の出し方」や「基準値の設定」を誤ると、総合判断を誤る大きな原因となりますので、常に正しい結果が出るよう日頃から条件を整えておく、例えば分析装置のメンテナンス、データ誤差の調整等が求められます。

一方の検証には、「数値化できないもの、例えば状況、文章、印象など」を「根拠に基づき総合的に判定できる」という長所があります。全体像に「ある条件」をあてはめて「条件との相違点」を見つけ、根拠に基づき善し悪しの判断を下すので「全体像」も理解しやすく、総合的な判断には有効な手段です。

ただし「定量化できないので、第三者にわかりにくい」という欠点もあります。また「判断を検証者の経験と知識に委ねている」という特長から「偏った方向から検証すると判断を誤る」という欠点もあります。
このため、「検証」には、「より幅広い視野」と「理論と経験に基づく専門知識」を持った人が不可欠です。

とはいえ、安全に大きく関わるこのデータは、事業者によっては毎年大量に制作されています。そして制作する人もそれを管理する人も流動的であり、10年同じ品質を保ち作り続けるということは大変な負担です。複製を繰り返せば必ずそのデータは不具合が生じ、時に著作権侵害などの問題にも巻き込まれます。
正しい知識を身につけ、長期間安定した品質を維持するためのマネジメントも重要になります。

検査できないから何もしないではなく、検証という、より高度な取り組みを実行することは取扱説明書が安全に関わる重要な部品という位置付けを理解できれば、当然の取り組みです。そのようなインフラをしっかり社内に構築することもPL対策では必要不可欠になります。

当協会では、流動的な社会環境に対応するために、認定事業者による第三者検証の制度を設けています。
取扱説明書の検証については、地域の認定事業者にご相談ください。

お気軽にお問い合わせください。 TEL 050-6865-5180 受付時間 平日10時~18時

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